捨てられない本といえば🎵
最近、家の中の不要な物をちょっとずつ処分して整理しています。
そのひとつが本棚です。
せっかくコツコツ買った本たちなので、出来れば捨てずにとっておきたいのですが、収納スペースがあまりないのでそうもいってられません。
問題は漫画以外の本です。
昔、片思いしてた人から貰った村上春樹の小説とかサイン会に並んで、好きな作家さんに自分の名前を書いてもらった本とか、何年経ってもこれはやっぱり捨てられないなぁと思いなおす本がいくつかあります。
なる日がくると確信しているので
いつでもすぐ手にとれるように未来の自分の為にとっておいてあります。
そして、どうしても捨てられない本のひとつ。
自分でも謎ですがこれです。
本人 vol.9
今もう、本人は、新しいのは、でなくなっちゃったかな?
本人は、なかなか濃ゆい雑誌でした。
内容は、小説やら、漫画やら、インタビューやら盛りだくさんの連載があって、書いてる作家さんも豪華だし、要注目な作家さんも目立っていて、なかなか面白かったんです。
普段の私は、毎回、買い続けるような雑誌系は買わないので大体パラパラ〜っと立ち読みで済まします。
なので、本人も普段なら買わないはずなんですよ。
なんですが、これだけは買ってるんですよね。なぜ買ったか今でも思い出せない。
で、この本、全体的に面白いんですけど
特に最高潮に面白いページがこれです。
「私の身体論」と題した北村道子さんの連載一回目の記事です。
北村道子さんは、映画衣装を手がけている方だそうです。私は、この方を全然知らなかったのですが、このページを読んでからは、北村さんの過去の著書も本屋にチェックしにいっちゃったくらい好きになりました。
まず正確にいうとページの内容は、インタビュー記事ではないんですよね。
インタビュアーの質問は、北村さんの言葉でしかほぼのっていないので。
「あなたは、あなた自身のことを知っていないでしょう?」と
質問されているはずの北村さんがインタビュアーの方にどんどん質問していくんですよ。
質問の質問返しみたいな感じです。
なので、より近い距離で彼女の言葉を感じることができます。
私のものの見方はこうです。
っていうハッキリした考えを示すだけなら普通のインタビュー記事なのですが
ここでは、それだけではないのが、まず面白くて。
あなたはどう思うの?どうなの?って、ちゃんとインタビュアー自体に、問いかけて会話しようとしてる北村さんがしっかりと写し出されています。
多分、当時20代だったインタビュアーは、人生経験豊富な60代の北村さんの迫力にタジタジだったんじゃないかなぁと予想できるんですが、その感じが見てとれるくらい生々しい北村さんの言葉がスラスラとのせてあって、どんどん惹き込まれます。
どんな言葉をチョイスして質問されたのか。詳細は、載せられていません。
でもインタビュアーの発言に対して、少し不愉快そうな北村さんが見え隠れするんですね。
私がインタビュアーなら、気まずいわ、恥ずかしいわで、自分にとって都合の悪い部分はカットとして、それらしくまとめたページを作ったと思うのです。
でも、この記事の構成は、ストレートな北村さんの言葉が溢れていて、北村さんの思いをきちんと受け入れようとしたインタビュアーの真摯な姿が背景として見えるような気がしました。
もちろん北村さんが語った、ものの見方もとっても面白くて好きなのですが、それに負けない構成の力を感じます。
誌面の中の人物と読者の距離をこんなにも縮めれてくれる構成って凄いな。
そんな風に思うのです。
こんなにもひとつのインタビュー記事に感動するなんて、誰かに言う場面は、まったくないのでブログに書いてみました。
ただ、私、今気づきましたが連載がその後、どうなったかしっかり見届けていないんですよ。途中、気になって何度か確認しようとした気もするんですが、色々、人生がいつしか忙しくなってフラリと本屋に寄ることもめっきり減っていたのでした。
まだどこかの店にあるかな本人vol.10以降
ぼちぼち探してみますか。